瑞穂CP
□作用と反作用〜第3話『抗いようもなく』
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恒例の夏合宿が始まった。
何とか無事にインターハイの切符を手に入れた瑞穂高校男子バスケ部。
しかしまだまだ全国で勝ち抜いていけるレベルではない事は確かで、皆必死に練習をこなしていた。
さて、春から榎本と交際を始めるハメになったトウヤであったが、二人ともこれまで恋人らしい事をする余裕もなく、数ヶ月が過ぎていた。
だが合宿と言えばご存知の通り、トウヤは夜になると一人こそこそと部屋を抜け出す。
昨年すでにその理由を目撃してしまっている榎本が、そんなトウヤを放置するはずもなかった。
数冊の本を抱えて歩くトウヤの後を追った榎本は、人の来ない場所までくると背後からヒョイと本を奪い取った。
驚いて振り返るトウヤ。
そこには嫌な笑みを浮かべた榎本の顔。
「俺と付き合ったら、エロ本のいらない体にしてあげるって言いましたよね?」
トウヤはギョッと背筋を凍らせた。
そのまま壁に体を押し付けられたかと思うと、服の上からスッと下半身を撫でられる。
トウヤはビクッと体を跳ねさせた。
「ちょ、待っ――」
拒絶の言葉をキスで遮られ、今度は直に敏感な部分に触れられる。
男の体というのはこういう時やっかいだとトウヤはつくづく思った。
元々そういう≠ツもりでいたトウヤは、少しの刺激で否応なしに誇張する。
トウヤはなんとか榎本から顔を逸らすと、
「お前、こういう趣味ないって、昔言ってなかったっけ?」
と、苦し紛れに反論を口にする。
「そんな事覚えてたんですね。確かにあの頃は興味ありませんでしたけど、今は大有りです。」
面白そうに口元を歪めながら、榎本は焦らすようにゆっくりとトウヤのモノを扱いてゆく。
榎本としては、トウヤが逃げ出さない所がまた面白かった。
もっと抵抗されると思っていただけに、その従順さが可愛く思えた。
順応性が高いせいかと榎本は考えたのだが、実は違っていた。
トウヤは他人から与えられる初めての快感に、動く事が出来なかったのだ。
別に逃げ出せないわけではなく、その刺激に呑まれていた。
だんだんと縋る様な目つきになってくるトウヤ。
榎本は理性が飛びそうになるのを必死で堪えていた。
ほんの悪戯のつもりが、このままでは悪戯では済まなくなりそうで、榎本は焦らすのをやめて早々に絶頂を促す。
トウヤは抱きつく形で榎本にしがみ付き、与えられる快楽に神経を集中させた。
やがて身を震わせて達すると、トウヤは榎本の服を掴んでいた手を緩めた。
いつもなら一度で満たされるのだが、余韻が後を引く感覚にトウヤがせがむ様に榎本へキスをしようとすると、突き飛ばすように身を離された。
「このままだと最後までやっちゃいそうなんで、ちょっと一人にして下さい。」
背を向けてそう言うと、榎本はその場から逃げるように去って行った。
しばらく呆然と立ち尽くしていたトウヤだったが、
『最後までやってもいいのに』
と思ってしまった自分に恥かしくなり、一気に現実に引き戻された。
どんどん変わっていく自分に嫌気が差しつつも、相手が榎本ならそれでも構わないと思ってしまう自分に呆れる。
「これから俺、どうなっちゃうんだろう…」
その言葉は不安からか期待からか。
今のトウヤには自己判断すら出来そうになかった。
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やっちゃった…
いや、まだまだ生温いとは思いますが、今の私にはこの辺が限界です(大汗)
実はこのネタが書きたいが為にここまで榎トーを進めてきていたという…
12巻読み返した時からずっと考えてたんですよ。
「そんなに欲求不満なら俺がやってやるよ」みたいな榎を!
ある意味念願は叶ったわけですが、何か物足りないんですよね。
この続きを書く覚悟が出来たら次へと進んでみたいと思います★
それでは、ご覧頂きありがとうございました!