最近、佐助の影が濃くなった
「死ぬのか」
「どうだろうねぇ」
また影が濃くなった
この表現しか思いつかない自分の語彙の無さに嫌気がさす
「旦那は変なところで…野生の勘ってやつなの?」
そう言って笑う
嗚呼、やはり近いらしい
「死ぬな、嫌だ」
「無理言わないでよ」
皆いつか死ぬんだよ、
そう言って俺に世の理を説く忍びは
一番理にそぐわない生き方をしている
そんな会話があった数日後、
忍びは死んだ
そして俺は思い出した
そうだ、佐助は最初から、俺の影だったではないか
理に従わない愛しい男は死しても尚、影となり後ろに居た