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□後悔の抜け道はないけれど
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後悔。
どうして逃げてしまったんだろう。

今更ながらに思ってしまう。
もう、どうにもならないことなのに……。

それでも、頭の中には常に「後悔」の二文字が浮かんでいて
それを消す術を私は知らなくて。

いつまでもいつまでもウジウジと悩んでしまう。


「今更後悔したってもうどォにもなンねェだろ」

「そうなんだけど、さ。
やっぱり考えちゃうんだよ。あの時、逃げなきゃ良かったって」


あたしには仲の良い男友達がいた。
ある日突然、好きだと告白されて、なんだか怖くなってしまって……
走ってその場を逃げ出した。

走って走って走って。
ふと振り向くとあたしを追いかけてくれていた彼が事故に……。


「……助かったンだろ?」

「……うん、でも」

「もう怖くて会えねェ、か」


彼が救急車で運ばれた後、あたしは自分を制御出来なくなって能力は暴走。
被害は決して少なくはなく、いろいろあっていまじゃ学園都市暗部のグループの一人だ。


「彼に会って、事故を思い出して、また能力が暴走したら嫌だし。
それで彼がまた怪我を負うのは嫌だし……」


結局は堂々巡り。
答えは見つからない。


「忘れられたら楽なのに」

「俺が忘れさせてやるよ」



後悔抜け道ないけれど



(……本気?)

(本気。逃げンなよ)






H23.11.29.

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