story

□【扉の向こう】(闇+表シリアス)
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毎日同じ夢をみるんだ

何度も何度も…

それは僕の届かない想い
悲しくて苦しくて心が擦り切れていく…

【扉の向こう】

あぁ…僕はまたここにいる

薄暗い地下の神殿

君が冥界に旅立った扉の前に

僕はまた1人で立ち尽くしている

もぉなんど目になるだろう

君がいなくなってから毎日みる夢

君がいなくても平気だよ
心配なんてしなくていいんだからね

毎日そぅ君に言ってるようで
実は毎日自分に言い聞かせてた

君のいない日々はとっても寂しくて、切なくて…

でもみんなの前では明るくしてるんだ

君を送り出したのは僕だもの

強くなったようにしていたんだ

だけど毎日みるこの夢がなによりの証拠だね

僕は強くなんてない

まだ君に依存してる

後悔してるのかな?

3千年さ迷った君の魂を
ようやく眠らせてあげることができたっていうのに

僕って薄情な奴だよね

自分で意を決めて戦いの儀をうけて

ちゃんと君を送り出せたはずなのに

夢では今も
君が去った後の重く冷たい扉の前で涙を流してる

《逝かないで、僕を置いて逝かないで》

そう呟きながら

心が潰されていくような苦しみに

気づけば君の名を叫んでる

悲しくて、寂しくて、苦しくて

扉を叩く手は真っ赤になって血が滲む
顔は涙でグチャグチャで

もし君がそこから出てきてくれても
とても見せられないような顔してるんだ。

でも扉は一度も開いてはくれない

僕の夢なのにね

こんなに強く願っているなら一度くらい…

君に逢いたい、君の笑顔をみたい

願っても願っても

決して扉は開かない

まるで僕の諦めが鍵を掛けたように、

夢から目覚めた僕は何時も涙を流してる

涙で冷たくなったこめかみ

精気の無い目

ほんと僕ってダメな奴だよね

血に染まっていたはずの手は白くて

何時も小さく震えている

僕はまだあの場所から抜け出せないでいるんだね


あぁ今夜も扉は閉じたまま…

fin

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