BOOK・ごちゃ混ぜ
□転生人後物語
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主人公視点
彩雲国物語…私はその本のファンだった。
ヒロインの紅秀麗の生き方には好感を持っていたし
劉輝とのピュアすぎる恋物語も好きだった。
青年期にはまって以来ずっと読んできた。はまった時期がちょうど受験直前で
そのため紅秀麗が文官になるべく試験を受ける前までしか読んでいない
買いは続けていたが…読む暇などあるわけがない…(……恐ろしき受験地獄……)
やっと、受験に合格したと思ったら次は一人での生活が待っていた。
私は県外の専門学校を志望していたからアパートを借りて一人暮らしをするはめになってしまった…(後悔は…してないんだ後悔は…)
それになれてきた頃、次に待っていたのはバイトだった。
実家から毎月毎月仕送りが来ていたんだけれどやはり負担はあったらしく金額を減らされたからだ
バイトは月収第一で考え居酒屋で…これでまた、本を読む時間は消えた。
本の数はどんどん増えていく、なのに読む暇がない…いつか一気に読んでやる…。
そう思って早二年。私の鞄の中には最終刊がある。(他を読む暇はないのに買うのだけ定着してしまった…)
…もう、私も専門学校を卒業する…就職先もきまり一応、この先安泰だったのだ
…そうだった
――。腹部から何かが流れているのが分かった倒れこんだ地面は、アスファルト独特のザリザリ感があり次起き上がったら小さい傷がいくつもできていそうだと頭の隅で考えて、私は微睡みに転落した。