斉藤受

□eddies
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「…え?」


あー…センセイ。
あなたの生徒が一人センセイに襲われてるんスけど。




…って、アンタがセンセイかよ!




「ちょっ…、美柴センセ…!」
「…なに?」
「なにって…!」

色々おかしすぎてどこからツッコめばいいのかわかんないんスけど!

「…ツッコむって…今から俺がお前に突っ」
「やめぇぇええ!!なっ…なんつーことを…!」

あぁもう。
なに?なんでこんなことになってるんだよ。
俺は今まで結構普通…とは言い切れないけれど。
俺自身は一般男子として生きてきたハズだ。

そして、俺はホモじゃない。

そうだ、俺はノーマルだったんだ。
好きになったのはもちろん女の子だけだったし、男なんて考えたこともない。

…なのに。
なのに、高校に入ってこんなコトになるなんて…。

誰も思わないじゃんかぁあ!!



「ぁっ、ちょ…!」
「…黙って」

今、俺に後ろから覆いかぶさっているのは、この学校の教師。

美柴鴇。

背は俺よりも全然小さいくせに、何か習ってたらしくて物凄い力で抑えつけてくる。
男として悔しいけれど…これで負けたらもっと屈辱的な問題が待っている。

「もっ…いい加減にしてくださいー!!」
「うるさい…。諦めろ」
「諦めるわけないでしょ!」

なんでこんな…っ、学年室で教師に襲われないといけないんだよ!

コトの始まりは、ついさっき。
放送で呼び出されて学年室に入ったら…そのまま襲われてしまった。

まぁ…こーゆーコトになるのは初めてではない。
全部不可抗力だ。俺は何も悪くない。


でも俺の貞操がかろうじて今まで守られてきたのは…
中条さんのおかげだ。



「なっ…中条さぁっ…、助けてぇえ…!!」



スパンッ!!



「……またか」
「中条さぁあん…!来てくれたんスねー!!」
「…覗きか?」



斉藤が叫んだ瞬間、ドアがスゴイ勢いで開いた。
そこからでてきたのは、やっぱり中条。
なんでスタンばってたような速さで出てきたかどうかは、今の焦っている斉藤は気付けない。

「ったく…美柴センセイよぉ…。斉藤は諦めろって」
「…お前斉藤の何?」


……何…。

…斉藤にとっての俺…。

⇒センパイ
⇒見た目怖いけど結構優しい
⇒いつも一緒
⇒いつも助けてくれる
⇒………??

「…あれっ?」
「中条さんはいい先輩っスよ!」
「先輩…」

自分でも斉藤の何なのかよくわからない中条。
色々と考えた結果いい先輩に辿り着いた斉藤。
何を考えているのかまったくわからない美柴。

「…まぁ、彼氏みたいな感じだろ」
「…え、俺って中条さんの彼女なんですか?」
「……自意識過剰」

三人とも言いたい放題だ。

「…とりあえず斉藤は連れて帰る」
「中条さんありがとう…!!」
「……最悪」

いや…
アンタに言われたくないし!


嵐が過ぎ去った学年室。



「どう中条をシめるか…」



と考えていたのを知っているのは…美柴ひとり。





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