斉藤受

□出てけ!
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「起きろよー」
「…遅れるぞ」



「ん…?」
…あれ、なんで二人がここにいるんだっけ…?
あぁ、そうだ…確か昨日は…俺が学校で熱出して……。
……それで?






「う…、なかじょ、さ…鴇…さん、」
「おう起きたか?」
「…熱は?下がったのか?」

「ちょ…ちょっと待って…」
――い、一気に話さないでほしいっス…。
自分でも何がなんだかよくわかってないのに。
色々言われても…まだ。

「あー…、そうだな、まず昨日の話」
「昨日お前、学校で倒れた…それは覚えてるのか?」
「覚えて…るっス」

まだ眼鏡を掛けていないから、視界がボヤけまくって。
誰か二人いるなー…とわかる程度にしか見えない。

「そのあと保健室で熱計ったら、お前ほぼ40℃あったんだぜ?」
「ただの風邪らしいけど…熱高いから早退」
「あぁ…だから…」

少しずつだけど、昨日の出来事を思い出して。
二人が順を追って説明してくれているのを頭の中で再生する。

「…もしかして、二人が送ってくれたんスか…?」
「「あぁ」」

……なんで俺ん家を知っているんだろう、とか。
どうやって運んだんだろう…とか。
色々不安になったけど。

「迷惑掛けちゃってスンマセンっした…」
とりあえず、感謝。

「いや別にそれはなぁ」
「…迷惑じゃない」
「……?」

……ん?
なんか…怪しいぞ。
思えば、二人がただの善意でここまでしてくれるとはとても…。
失礼だけども。

「……なんかしたっスか?」
「いやぁ別にー」
「…特に」

…怪しすぎる。
大体、この二人が意気投合(?)してる時点ですでに危ない。
いくら鈍感な俺でもわかるぞ…!

「ちょーっと襲っただけだよなぁ、美柴」
「少しだけな…。少しだけ」

―――襲っ…た?
少し…?襲うとかって少しだからどうこうとかそういう問題?

「…何したんっスか」
「……いや、そのねぇ…、服を脱がしたっていうか」
「でもすぐ直した。…少し魔が差しただけだ」

…やっぱり危険だ。
そりゃここまで運んできてもらってありがたいけど。
やっぱりこの二人はケモノなんだ…!!

「ちちちちちょっと脱がしただけっスよね?」
「まぁあともうちょいで全裸だったわな」
「…下着一枚まで」









「今すぐでてけェェェェ!!!」








「なんだよ…あいつもう全快じゃねーか」
「む…」







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