斉藤受
□優しい貴方だからこそ、
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「…くそっ」
どうして、こんなことになってしまった?
大切にしたいと思っていただろう?
…こわしたのは、おれ。
『やだっ、鴇さん…!』
『なんで…?やだよぉ、こんな…!』
『いやっ、そんな…!やぁああ!』
耳に響く、
斉藤の悲鳴
まだ残って、いる。
聞こえてただろ?
それを無視してまで、する必要はあったのか?
気持ちを伝えてからじゃ、ダメだったのか?
無理矢理押し通す、必要は…
なかっただろ……!
何を考えていた?
誰があんな言葉を囁いた?
誰が斉藤を傷つけた?
誰が斉藤を泣かせている?
―――俺だ。
…斉藤が目覚めたら、なんていえばいいのか。
「俺がお前をヤった、好きだったから」
…とでも?
あぁ、俺はバカだ。
本当にバカだ…。