月夜になく頃に

□EP1
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―ツナside―


「よぉツナ!」


そう言って、山本は綱吉の背中を軽く叩く。


「うわっ!やっ、山本!…おはよう!」
「おい、野球バカ!何10代目の右腕であるオレより先に挨拶してんだよ!
おはようございます!10代目!!」
「おっ…おはよう、獄寺君」


そう言う綱吉の顔は若干引きつってる。


「まぁまぁ良いじゃねーかよ、獄寺。そーいやさ、今日転校生来るんだったよな」
「え…!?そうだったっけ!?」


綱吉は昨日の終礼の内容を必死に思い出してみる。
そういえば確かに…、


「言ってたような気も…」
「安心してください、10代目!
10代目に何かするようでしたら、すぐに果たしますんで!!」
「ますます不安だ――ッ!!」
「使えそうな奴だったらファミリーに入れろよ。」
「リッ、リボーン!?いつの間に…!?
じゃなくて!んな事しないよ!転校初日に巻き込めるか!…って、いねー!」
「ハハッ。小僧の奴、相変わらずすげーな」
「笑い事じゃないよ!!あぁ…もう……」


これから起こる事を考えると、思わずため息がこぼれる。
そして、いよいよ運命の朝礼(HR)の時間がやってきた。


「じゃあ転校生を紹介するぞ。入ってこい」
『うむ』
「―――ッ!!?」


転校生が入ってきた瞬間、綱吉は身体に電流がはしったような気がした。
綺麗だから、かな?確かに外国人で美人だけど…でも何か違う気が。…考えすぎかな?


「じゃあ自己紹介をよろしく」

ところが、この娘の自己紹介がすごかった。

『心得た…妾の名はフィオレンティーナ・カスティリオーニという』
「(まさかの妾っ娘!?この娘、時代錯誤してる!?)」
『イタリアから来た、という事にしておく』
「(イタリア!?またマフィア関係じゃ…ていうか"という事にしておく"って何!?)」


そして、挙句の果てには…、


『人間界に降りるのは久しぶりだから、よく分からない事もあると思うが退屈しない程度によろしく頼むぞ』
「(人間界!?一体この子は何なの!?電波!?)」


…ツッコミ所がありすぎた。
綱吉にいたってはツッコミ所が多すぎて困惑している。




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