FL:HalloweenNight
□3:skeleton
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SAIと出会ったのはずいぶん昔。
思い出すのも面倒なほど。
「――――」
「あ。」
店内アナウンスが17:00を告げる。
早く帰らなきゃ。
病人を放置したままだ。
それより、自分のお腹がなりそうだ。
最近はSAIに付き合ってお粥ばかり食べていた。
「よし。ロール白菜と大根サラダにしよう。」
…って、またやっちゃった。
スーパーは不思議なところ。
買い物カゴを持って歩くと、自然と考えが口に出る。
魔界にいる時は鉄火面とまで言われていた自分が懐かしい。
KAIN様の命令には一切逆らわず、数多の命を消してきた。
わがままには鉄槌。
容赦なかったと、自分でも感じる。
あー。反乱軍出てこないかなぁ。切り刻みたいなぁ。
殺しに快楽は感じない。
ただ、唯一命を感じられる。
感情が動く。
締め付けられる胸の痛み。
あの感覚は正直苦手。
だけど、あの感覚がないと、私は人形だ。
ZEBUBU様も悪い方ではないけど、最終的には…。
KAIN様が絶対。
だから、私は斬る。
とにかく、今は主要メンバーの制圧が先決…っ!?
まただ。
息づかいまで感じられそうな視線。
間違いない。
何かが私を監視している。
おそらく、反乱軍。
KAIN様はこんな回りくどい真似はしない。
…いや、やるかも。
俺様鬼畜な変態。
そんなKAIN様だからこそ、私の反応をうかがうようなこざかしい真似をしてくる可能性は否定できない。
KAIN様…にしては、好戦的ではない気がする。
視線から感じるものを考える。
考えれば考えるほど、深みにはまる。
…まてよ。
視線の主に思い当たる相手がいた。
意図はわからない。
だけど、可能性はある。
疑惑を確かめるべく、家路を急いだ。