FL:HalloweenNight

□2:SAI
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暑い。
人間界の夏は暑い。
四季が分かれている日本では、蒸し暑さも感じる。

……。

外へ来て4日目。
特に異常はない。
でも、主要メンバーのSAIが都内にいることは間違いない。
私の情報網はなめないでほしい。

「あー…。」

団扇で扇ぐ。
蒸し暑い井の頭公園。
穏やかな時間が流れる。
SAIは必ず現れる。
目的はわからない。
それでも、反乱軍は片っ端から切り刻む。

SAI…。

SAIのデータを思い返す。
思い返すまでもない。
SAIは私の同期で、幼馴染み。
落ち着いた見た目と優しい笑顔。
それに見合わない確固たる信念。

「なんだかなぁー。」

情はある。
けど、魔王様の側近として、放置はできない。

SAIのすることに、意味のないことはない。だけど…見えない。

必ず意図はある。
快楽で世を騒がせる性格ではない。
その事は、私が1番理解している。
でも、納得いかない。

まぁ、会えばわかるか。

噴水の見えるベンチでまどろむ。
睡魔が襲ってくる。
こんな状況で、自分は本当にのんきだと思う。
でも、眠いものは仕方がない。
瞳を閉じかけた時、冷たい風が吹いた。
SAIは氷使い。
この肌に突き刺さる感覚には覚えがある。
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