備品室

□What your name?
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あなたの名前は?















「はっやさっかくーん」



ここは風紀部の部室。
真冬が由井とオセロをしている早坂に
声をかける。



「なんだ黒崎」

「なんか先生いわく、今日風紀部に新しいメンバー入るんだって」

「へー」

「どうせロクな奴じゃないんだろーなー」

「おい早坂。次はお前の番だぞ!」

「ああ。スマン」



緩い空気が漂う室内。





ガラ





「おーい。入るぞー」

「はーい」



鷹臣が一人の生徒を連れてきた。
その生徒は鷹臣の後ろにこそっと隠れている。



「おい。前出ろ」

「…はい」



新メンバーは女子生徒であった。
髪をハーフアップにしたかわいい女子に
真冬のテンションは上がる。



「ええっ!?先生この子ホントに新メンバーですか!いいんですか!?」

「ああ。ちなみにコイツには風紀部マネージャーをしてもらう」

「ワンダフルッ!!」



(なんの弱み握られたんだ…)



早坂がそんなことを考えていると
鷹臣はその生徒に簡単に自己紹介しろと言った。





「えっと…早坂愛です。これからよろしくお願いします!」

「まあ、仕事とかは適当にコイツらに教えてもらえ。じゃ、俺はこれで」





三人の目が愛に釘付けになる。





「よし!では俺から自己紹介をしよう。由井忍だ。頼むぞおなご!」

「は、はい!お願いします!」

「えっと、黒崎真冬です!な、仲良くしてください!」

「はい!」





少し戸惑い気味の様子。





「あー…えっと、早坂だ。…あのさ、俺なんて呼べばいい?」

「え?」

「あ、そっか。二人とも同じ苗字かー」

「それなら下の名で呼べばいいんじゃないか?」

「だな。俺も早坂とか呼びにくいし。いいか?」

「全然大丈夫です!」





じゃあ、と早坂が言う。





「よろしくな。愛」







きゅん







「 !? 」





一瞬にして愛の顔が赤くなる。





「おい、顔真っ赤じゃねーか!?大丈夫か愛?」





その真っ赤な顔はさらに熱くなる。













「は、はやさかでお願いしますぅぅぅ!!!」











What your name?



(早坂さんは名前呼びやめてください!)

(えっ!なんでだよ!?)

(なんででもです!)





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