ゆるりゆらり。

□くいしんぼう
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「愛」

「あ、ゆうた」







放課後、2人で帰ろうと思って愛を迎えにいった。
そこにいたのはお菓子をむさぼる彼女の姿。





「…りす」

「ん?なにが」

「いや、何でも」





背は小さいのに、胃袋は大きいんだね。
でもまあ、そんな彼女さえ愛らしく思えてしまう。
けっこー重症だねオレ。





「あ!ゆうた、ゆうた!!」

「なんでしょう」




ニコリと笑って手を出してくる愛。









「トリックオアトリート!!」









まだ食べれるんだ。
確か、お昼に千鶴からもらったアメが…





「はい」

「やった!」





笑顔になってすぐに口に放りこむ愛。
もしかして自分はお菓子もってないんじゃ…
試しにオレも言ってみた。









「トリックオアトリート」









口の中で転がしてたアメの音が止まる。





「…わ、わたし食べるの専門なの」

「それはズルイね」

「えー」

「ルールは守んないと」













そう言うと「お好きにどうぞ」と口を尖らせる彼女。

その口にキスを落とせば

ふんわり広がるレモン味。













「いいね、ハロウィン」

「そ、そうだね」















くいしんぼう




(Happy Halloween)





     ゆるーり、ゆらり

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