花笑みの日に
□きみに似た、あの子
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♯3.君に似た、あの子
「そっち持って」
友達とうまくいかなくて
困っていたクラスのあの子は
なんだか少し君に似てて
余計放っておけなかった
「ねえ咲月、アンタ、浅羽君達と仲良かったの?」
「え?なんで」
「アンタと同中の奴から聞いたの!」
「…うん、まあ、幼稚園からの幼馴染だけど」
高校でできた友達は
流行りのものとかに詳しくて
私は少しおくれてて
話を合わせるのにやっとで
「うっらやましぃ!!」
「私思うんだけど、咲月と塚原君なんてどう?」
「あー!わかる、似合いそぉ!!」
「え、要と?いや、それはナイよ〜!」
「あ、それよりさー、聞いてよ!あいつまた男子にボディータッチしてたよ!」
「うわ〜あざとっ!」
悠太はみんなから人気だから
たぶんホントのこと言ったら
調子乗ってるみたいに
言われちゃうと思う。
そんな風に、たまに怖くなる。
私はそっと、携帯につけた
サクラのストラップを握った。