花笑みの日に

□You are you
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♯6.You are you






「オレ、好きな人がいます」







悠太くんはじっと目をそらさないで話してくれた。





「わたしじゃ…ないんだよね」

「…はい」





少し胸が苦しかったけど

悠太くんの方が苦しそうだったから

涙はでてこなかった。





「えと、ですね。オレその人に告白の返事もらってなくて

1年たって、ぎくしゃくして

もう諦めたほうがいいのかなって思ってて

そしたら高橋さんが告白してくれて。」



「…うん」



「高橋さんとその人がそっくりで…

この人なら、好きになれるかもって。」



「…でも、なれなかったんだね」



「……うん」





わたしなんかじゃ、ダメなんだろうな。

やっぱり少し、目が熱くなった。

それでも悠太くんはつづけた。







「オレさ」

「…?」

「やっぱりその人のこと諦めきれないみたい」

「そっか…」

「それからさ、高橋さんに失礼だって思った。…今、わたしなんかにって思ったでしょ」







ホントにそうだから、なんにも言葉がでなかった。















「高橋さんはさ、十分ステキな女の子だよ」

















いつもなら否定しようとした。

だけど、悠太くんの目がそうさせなかった。







「…だからさ」



「うん…別れよっか」



「……勝手で、ごめんなさい」



「いえいえ!こちらこそ…」















もうすぐ暗くなるから

悠太くんが家まで送ってくれるって言った。

うれしかったけど、わたしは断った。

だって、悠太くんに悪いしね。









かわりに











「がんばってね」

「うん。ありがと」











ステキな女の子を振ったんなら

ちゃんと好きな人と付き合ってね。















…ごめんなさい

ちょっと調子にのりました。














#6.You are you end

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