Under Lover

□A flower vase leads
1ページ/2ページ











3.A flower vase leads
                     花瓶が導く








シャアァン!!!!





「「「 !!! 」」」





ハルヒがひじをぶつけてしまった花瓶は、そのまま大理石の床に落ち、粉々に割れてしまった。





「あーあ。校内オークションの目玉予定だったルネの花瓶が…」

「困ったねぇ…これ800万からふっかけようようと思ってたんだよねぇ」





光、馨がハルヒを責めるように言う。





は、800まん…





だらだらだらだらだら





ハルヒは大量の冷や汗を流しながら、恐る恐る言う。





「あ…あの〜べんしょ〜」







「できんの?指定の制服も買えない人が?」

「大体何なのそのダサイかっこ。」





と、光と馨が追い打ちプレイでハルヒを責める。





「いや、これは父のお古で、他に制服っぽいものがなくて…」





流石に800万という大金に青ざめながら返事する。
すると鏡夜が環に聞く。





「どうする?環」

「あー…こういう諺を御存知かな?藤岡君」





環はどっかりと椅子に座り、今までとは全く別の態度で黒い笑みを浮かべ言った。







“郷に入っては郷に従え”、“金がなけりゃ体で払え”!!   
今日から君は、ホスト部の犬だ!!








 !? 





あまりに残酷な裁きにハルヒは仰天した。







「じゃあ早速仕事だが…」

「ちょ、ちょっと待ってください!」





なんとか状況を良くしたいハルヒは
必死で抵抗する。





「自分まだ、この学園にも慣れない状況で…」

「じゃあ、仲のいい友人を招き入れるといい」





鏡夜の提案に環が目を輝かせる。





「おお!それはいい案だな!…あ、いやしかし…」





環は気まずそうに鏡夜に耳打ちする。





「藤岡君は学校一の貧乏人だ。きっと話の合う友人がいないのではないだろうか…!」

「すみません。丸聞こえなんですが。失礼ですよ」

「ではいるのか!君には悲しいことも嬉しいことも全部、思いぶつけることの出来る友人が!!!!」





力強くハルヒの肩を掴む。







「いるんじゃないか?例えば…同じ特待生の茅野夏祈君とか」







鏡夜が薄く笑った。





「なるほど!同じ特待生同士、悩み事を共有しあっているのか…。
さぞ二人の友情は深いことだろう!!
よし、藤岡君、茅野君を連れてきたまえ!!」

「いや、そこまでの大げさな仲ではありませんが…」





そして気まずそうに顔を引きつらせる。











「説明してきます…」




























「…と、言うわけなんだ」





正直聞く限りではあまり好んで入りたいと思わない。
でもだ。





「そうだね…。俺の間違った情報のせいでこうなったわけだし」

「あ、いや、そういうことじゃないんだけど…ゴメン」

「いや、仕方ない!責任取るよ、藤岡君」

「ほ、ほんとありがとう茅野君」





とりあえず二人でもう一度例の部屋に向かうことにした。
でもその前に。





「夏祈でいいよ」

「じゃあ、自分もハルヒで」





コツ コツ
 コツ コツ









二つの足音が廊下に響く。












次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ