花笑みの日に

□砂の城
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♯5.砂の城







小さい頃から人見知りだった私。

いつも1人だった私に話しかけてくれたのは

他でもない、悠太だった。



悠太を避けてた今だって

ずっと悠太がくれたサクラのストラップを握り締めてた。



ずるかったんだ。

きっと悠太の想いに甘えてた。







カコン







空のカフェオレが妙に大きく音を立てる。
どうしてもやる気がでなくって初めて授業をサボってみた。



「空はひろいなー」



みんなが睡魔と格闘するなかのん気に体を伸ばす優越感に浸った後
あまりの空の広さとちっぽけな自分に少し落ち込んだ。



そっと携帯につけたサクラに触れてみる。
それは少しひんやりとしていて心地よかった。









「…やーなおんな」









***









「そういえば高橋さあ、どうなの悠太くんとは」

「え…」

「あーききたい、ききたーい」





こ、こういう時は、無難に…





「えっと。一緒に帰ったりお茶したりしたよ」

「うっわマジで!?あんたしゃべるの全然ダメじゃん」

「もー大沈黙だったでしょ」

「ちょー気まずー」



ははは



「でも悠太くんがけっこう話ふってくれるし優しいし。楽しかったよ」



「「「 ……… 」」」



「ふーん」

「じゅんこー鏡かしてー」

「お前まえがみ気にしすぎだから」

「だって切りすぎなんだよあの店員ー」



あはは



「………」





あ。たぶんわたし間違えた。







***







「はい」





あ、悠太くん!



「CD。貸すって言ったやつ」

「あ、ありがとう」



わあー
どうしようすごいうれしいな



「6曲目とかいいよ」









「昨日のドラマありえなくない?」

「あー、思った思った」





みんなくる…
隠さなきゃ



「バラードっぽいけどオレはけっこー好き…」





さっ
がっ





「えっマジで?」

「行ってみよ行ってみよ」


ぱたぱたぱたぱた…

 あはは





ほ…



「あ、えーと…CDありがとうね。オススメの曲とかある?」

「え?ああ…6曲目とか…」

「そうなんだ!楽しみ…」



もう出して大丈夫。



すっ



「ああ!!ヒ、ヒビ!!?」



どうしよどうしよどうしよ!!?



「ごごご、ごめんなさい!!弁償しますごめんなさい…!」

「ああ、いいよ。中身がわれたわけでもないし」

「で、でも…っ」



こわいこわいこわい





「だいじょぶ。です」

















もう、じぶんやだ…










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