Under Lover
□It is which
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「「 !? 」」
「「「 いらっしゃいませ♡ 」」」
扉を開けると、そこはホスト部でした。
「(び…びっくりした…!!何この美麗集団は…!?)」
ハルヒは混乱し壁にもたれかかる。
すると、双子の男子、常陸院光・馨(ひたちいん ひかる・かおる)が言う。
「「なんだ男か。ちっ、つまんないの」」
そして1人真ん中の椅子に堂々と座っていた、ホスト部部長の金髪男子、須王環(すおう たまき)が二人を叱る。
「こら。口を謹め。大切なお客様だろーが」
環はハルヒに手を差し出す。
「桜蘭ホスト部にようこそ!!!世にも稀な特待生の藤岡ハルヒ君!!」
「え…何で名前…」
私立桜蘭学院は、一に家柄二にお金。財ある者は暇を持ち。
かくしてホスト部とは、暇をもてあます高等部美麗集団六人が
同じく暇な女子をもてなしうるおす、超金持ち学校独自の華麗なる遊戯なのでありました。
「どうもうちの学校は庶民には敷居が高すぎるらしくてね。
よほど図太い神経の持ち主でなきゃ奨学特待生にはなれないだろうといわれてたんだ。
これで君をしらなきゃモグリだろう?ね?」
と、眼鏡をかけた黒髪の副部長、鳳鏡夜がハルヒに言う。
「…ハァ、そりゃどーもごていねいに」
さり気なく“図太い庶民”と言われた。
いい気はしない。
すると
「そう!!いわば君は勇者だ藤岡君!!」
がば!!
環がハルヒの肩をがっしりと掴む。
「たとえ学年首席だろうと君は学校一の貧乏だ。雑草と罵られ下賤の民とさげずまれるかもしれない!!いや、むしろされるだろう!!」
環はハルヒの肩に片手を乗せ、キラキラと薔薇のオーラを振りまきながら語る。
「いや、別にそこまで言われるすじあいは…」
しかし嫌がるハルヒには耳も傾けず、環は語り続ける。
「いいじゃないか。貧乏万歳だ。勇者にとって大切なのは無謀ともいえる心意気なのだよ!!
噂のガリ勉君が男色家だったのは意外だが…」
「へ?男色!?」
何の事だかと驚くハルヒには構いもせず環はまたしゃべり続ける。
「どんなのがお好みかな?ワイルド系?ロリショタ系?それとも…」
環はハルヒの顎に手を添え、顔を近づけ笑う。
「この俺にしてみる?」
ぞわ
「ヒッ」
ハルヒは引きつる顔をさらに引きつらせる。
何か変なことになってきている。
「違います。自分はただ――」
ハルヒが訳を話そうとすると
「ハルちゃん♡ハルちゃんは勇者なの?僕、王女様を助けたお話聞きたいなあ♡」
まるで初等部の子の様な埴之塚光邦(はにのづか みつくに)に可愛らしい邪魔をされる。
「誰がハルちゃんだ――ッ!!」
パニックが頂点に達し怒り叫ぶハルヒ。
その後ろでは無口でやたら背の高い銛之塚崇(もりのづか たかし)がハニー(光邦)を慰めている。
「とにかくっ、静かな所を捜してただけですから!!」
いち早くこの可笑しな部屋から出て行かなくては。
「どうもお邪魔し――…」
ガッ
するとその時、勢いよく振り返ったハルヒのひじが近くに置いてあった花瓶にぶつかった。
シャアァン!!!!
「「「 !!! 」」」
〜To be continued〜