絶対束縛主義


□間2,3
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非常に困った。
これは今まで生きてきた中で一番面倒くさいことになったかもしれないと思う程、困った。

「だから、好きか嫌いかはっきりしてください!」

目の前には愛里の友達という子がいる。
昼休みが始まった途端に教室にずかずかと入り込んできて、いきなりこんな状態になった。
また台詞が台詞なだけに、周りの視線を集めている。
が、彼女は気にしてないのか気付いてないのか、どんどん追い詰めてくる。

「ちょっと直人さん、聞いてます!?」
「聞いてるよ…。」

聞いてるけど、一体何と答えれば良いのか。
いや、好きか嫌いか答えれば良いんだろうけど。
教室で言うものでもないだろう。
いつも一緒に弁当を食べる友達もこっちを見ている。
心底楽しそうに。
この野郎、助け船くらい出せよ。
「修羅場?」なんて笑って言う台詞でもないだろ。
終わったら覚えてろよ。
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