絶対束縛主義


□間2,3
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とりあえず今は目の前の子に何か言わないといけない…と思う。

「…嫌いではないよ。」
「そういうんじゃなくて、もっとはっきり!
好きか嫌いか2つに1つ! はい、言って!」

無理矢理すぎる。
そもそも今の返事で大抵の人は悟れると思うんだが…。
言わせたいんだろうか。
そうだとしたらこの子は絶対Sだ。
そんな恥ずかしいことを教室では言えない。
顔が熱くなってきた。
この状況だけでも十分に恥ずかしい。

「はーやーくー!」

にしてもよく通る声だ。
何故か隣のクラスからも見物人が来ている。
これ以上人が増えるのは嫌だし、流石に腹を決めないといけない。
けど大きい声で言うのはもっと嫌だ。

その子の耳に手を当てて、かなり小声で素早く言った。
誰にも聞こえてないだろうけど、口に出すだけで耳まで真っ赤になりそうだ。

「やっぱりね〜!私が思った通りっ!」

満足そうに笑っているのに少し腹が立つ。
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