絶対束縛主義


□間2,3
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「そう言われると何かイヤだな。」
「まぁまぁ、そう照れないでよ!」

いや、照れるだろ。
特に突っ込みはしないけど。
身長を合わせて屈んでいた足を元に戻す。
この子、堂々としてるから大きく見えるけど、実は小さいんだな。

近くで今流行っているラブソングが流れた。
確か昨日、愛里が好きだと言ってたやつだ。
その子があーごめん、と気の抜けた声を言い放ち、携帯に出る。

「あれ、愛里?どうしたの?」

どうやら相手は愛里らしい。
ついさっきのことが頭にフラッシュバックして、また少し恥ずかしくなる。
落ち着く為に電話の内容を盗み聞きしてみる。
居場所やら忘れ物やら、妙な会話だ。
それに今いる所は職員室ではない。
体育会器具庫に一体何を忘れて置いていったんだろう。

「うん、近いし私がとってくるよ。 じゃあ今から行ってくるから待ってて! 」

ぴっと携帯を切り、こちらを振り返る。
そして上向きにぴしっと指を立てて、言った。

「私、用ができたからもう帰るね! 後のコトは私達に任して!」

言い終わると同時に教室を出ていく。
何か嵐みたいな子だ。

「直人〜。一体今の何だったんだよ?」

ニヤニヤしながら友達がやってきた。
そうだ、とりあえず今はこいつらに腹が立ってるんだった。
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