絶対束縛主義


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「あのね、詩乃。
私はいつも明美と一緒に居て、分かってるから言ってるんだよ。
自分勝手でマイペース。思ったコトは何でも口に出しちゃうKY娘。
…そういうトコロが災いして今回の事件が起こったんじゃない?
きっと、誰かが前から明美のコトを嫌ってたんだろうね。」
「愛里、なんかいつもと違う、変だよ。」

明らかにおかしい。
愛里は滅多に人の悪口は言わない…ましてや友達のなんて。
愛里はいつも明美と居て、本当は私なんかよりも明美との仲の方が良い。
私だけ中学校が違ったからってこともあると思うけど、妬けるくらいに2人の仲は良かった。
なのに何で今、そんなに明美を貶めているのか。
愛里はふふっと笑うと、またおかしなことを口にする。

「そうかなぁ?
大切な友達が居なくなって、自分でも分からない程気が狂ってるのかも。 でも、今日くらい我慢してほしいな。」

違う、それはそんな笑顔で言うことじゃない。

「私だって悲しいんだよ? あまり思い出させてほしくないの。」
「でも、」
「もうこんな暗い話は止めにしようよ、私の唯一の親友の詩乃。」

何が唯一の親友だって言うの。
明美じゃなくて、何で私にそれを言うの。
分かる、言いたいことは分かるけれど。
私は明美を自分の中から消したくないし、多分消せない。
それは愛里も一緒だと思ってたのに…。
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