24時 キラ便

□かごめかごめ※
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かごめかごめ

籠の中の鳥は

いつ何時出会う

夜明けの晩に・・・



「ザラ様・・・お待たせいたしました。こちらでございます」

番頭に案内され、俺は敵唱(あいかた:今夜相手をする遊女)の待つ部屋に入る。部屋は二間になっていて、手前側が食事をする座敷、奥が床入りをする間になっている。座敷と床入りの間のあいだは屏風で仕切られていた。座敷の中央に、客人用の座椅子と仕出しの料理が用意され、座椅子の横に敷かれた座布団には今夜の俺の相手、そしてこの部屋の主である遊女がくつろいだ姿勢で座っていた。部屋を持っているほどの遊女というのは、つまり花魁だ。

「それでは・・・ごゆっくり」
部屋の障子を閉め、番頭が去っていった。俺は遊女の隣に腰を下ろす。仕出し料理と共に用意された杯を取り遊女に差し向けると、間をおくことなく徳利を手にして、遊女は杯に酒を注いだ。
俺は注がれた酒をグイと一気に飲み干し、もう一度杯を遊女へ向けた。二杯目の酒を注ぐその姿を、俺は舐めるように見つめた。
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