24時 キラ便
□渡してなるものか!※
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そう、キラ王子はこのオーブ国で、王女として育てられていたのです。
キラが王子だと知っているのは、オーブ王家にいる者たちと隣国のザフト王家の者たちだけ。
もちろん、アスランも知っています。
それでもアスランは、キラのことが大好きでした。
友達としてではなく、恋愛対象として―――――
「アスランッ」
キラは小走りでアスランの方へ近寄ると、思いっきりアスランに抱きついた。
「キ・・・キラどうした?(やけに大胆じゃないか!?)」
「聞いてアスラン!ボク・・・・縁談が決まりそうなのっ」
キラの告白にアスランの頭が一瞬フリーズした。
「な・・・・なんだっって〜〜〜〜〜〜!!!!」
「ど、ドコのどいつだ!キラと結婚しようだなんて不届きな奴は!!」
アスランは髪をかきむしりながら叫んだ。
さっきから部屋の中をウロウロと歩き回って、何かをブツブツ呟いては、突然叫び出したりしている。
「うん、あのね、プラント国のシン王子って人・・・」
キラのこととなると見境がなくなるアスランの態度はいつものことなので、キラはとくに気にすることもなく、それでも幾分ぶすっとした表情で応えた。