24時 キラ便

□sweet sweet chocolate
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その日、アスラン・ザラは忙しかった。


「あの・・っ、これどうぞっ」
「あ、ありがとう・・・」

「アスランさん、もらってください☆」
「ああ・・・どうも・・・・」

朝起きてから今まで、アスランはミネルバ艦内で、会う女の子会う女の子にカワイイ包みをもらっていた。
赤だのピンクだのブルーだの、包みの色も形も様々だが、中身はぜ〜んぶ同じもの。



それは甘い甘〜いチョコレート。



そう、今日はバレンタインデーなのでした――――




「ひえ〜、アスランさんモテモテですねっ!」
「シン・・・その古くさい表現はやめてくれ・・」

アスランの両手いっぱいに抱えられたチョコたちを、大きな朱い瞳でまじまじと見つめながらシンが言った。

「さすがは元クルーゼ隊の方ですね。女性からの信頼も厚いようで・・・」
シンの後ろで涼しい顔して言うレイだが、手から提げた紙袋には、アスランに負けないくらいの数の包みが入っている。

「し・・信頼・・・・ね(・・元クルーゼ隊は関係あるのか?)」
口元を僅かにひきつらせてアスランは応えた。
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