You 本読んじゃいなよ

□同性愛
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「芹沢さん」



声がするほうを見れば俺からみて上目遣いの成瀬領の姿



「なんですか?」



すると彼は首を傾げて質問してくる



「男性同士で恋愛はどういうことなのでしょうか」



意外な質問だった



「日本では理解不能ですし許されることではありません
けれどもそれ以前のことを今は聞きたいのです」



彼は何故か必死だった



「芹沢さんは男性に恋愛感情を抱いたことはありますか??」



その質問は俺にとってはあなたに告れと言ってるようなものなんですが…



「ありますけど」



てか、今現在してますけど
上目遣い勘弁してほしいんですけど



「…失礼ですがあなたは性障害かなにかですか?」



「ほんとに失礼ですよ……
違います」



すると彼は俺から目をそらし少し考えるそぶりをして



「……理解できません」



そう言葉を発した
難しい顔をしてまた俺を見上げる



「芹沢さんは……………いや…なんでもありません
それでは」



軽く頭を下げ俺に背を向け歩きだそうとする
俺は納得いかず彼の腕を掴む
すると彼はまた俺を見る



「…最後まで言ってくださいよ
俺は…なんですか」



彼はため息を一つつき俺に向き直す



「……その惚れた男性は誰ですか?」



目を見開き「へ?」とまぬけな声をだす
あまりに予想外で…



「いや…それは…」



言うか
言わないか
迷っているうちに彼はまた背を向ける
「ほら、だから言わなかったんです
いいですよ
個人情報なんで」



じゃあ、と一瞬微笑みをこちらに見せ歩きだす
その一瞬の微笑みは



「…大好きです」



脳を愛の言葉でいっぱいにさせた



「…え」



無防備な背中を抱き寄せる



「成瀬さんが大好きなんです」



そして再び言葉を伝える



「大好きです」



すると冷静な声が耳に入ってくる



「私は女性っぽいですか?」



質問に少し戸惑ったがすぐ口を開く



「確かに可愛いです
けどそれは女性の可愛いさではないような………
けど、なんか…成瀬さんにしかない可愛いさなんです!!!」



すると彼はふっと柔らかに笑う



「……おもしろいこと言いますね」



「そうですか?」



首を傾げると
「ええ」とまた笑みをみせる
すると彼は俺に顔を近づけ頬に静かにキスをする



「な、なななな成瀬さん?!」



心臓が一気に爆音に達する
彼はそれからなにも言わず悪戯っ子な笑顔を見せ俺の前から去っていった



「……あの人ほんと可愛いなぁ…」



天使のような悪魔
悪魔のような天使



-End-
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