総悟おめでとう!

□*いつか*
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 あれは、今より10年程前の七夕の夜だった。


稽古が終わった後の道場では、近藤さんらが中心となった宴会が執り行われていた。
今やもう呆れることすら忘れるぐらいに、ここに居る輩何かと口実をつけてはどんちゃん騒ぎをするのが好きなのだ。
 七夕などになれば、姉上まで精を出した手料理なんかを並べてくれたりするわけで、男達の興は一層熱くなっていく。
料理を相手に喋りながら呑んでいる間は可愛いもんだが、明け方に向けてどんどん悪ノリという奴は加速するのだ。
その輪の中にいるのは嫌いじゃなかったけれど、姉上が居る手前俺には一滴たりとも呑ませてくれたためしがない。
「大人になってからな」なんて、自分は俺と同じ年の頃には呑んでた奴らばかりなのに。
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