総悟おめでとう!

□車の中で隠れてキスをしよう《前編》
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明日が何の日か、忘れていたわけじゃない。
忘れようにも、忘れられなかったというのが正しいのだけれど。
朝布団の中で目覚めると、いつものように隣には総悟が居た。
ただ、いつもと違うのは奴が先に目を覚ましていたということだ。
横たわったままこちらを向く瞳には芯があって、起きてからしばらく経っていることが見て取れた。
「おはよ、土方さん。」
 すっと細められる瞳。
寝起きで少し鼻にかかる声が、俺の名を呼んだ。
「珍しいな、お前が俺より先に起きるなんて。」
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