総悟おめでとう!

□車の中で隠れてキスをしよう《前編》
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「おかげであんたの寝顔、ばっちりいただきましたんで。
 口からよだれ垂らして幸せそうに、子供みたいでしたねィ。」
「なっ・・・・。」
 慌てて口元をぬぐおうと伸ばしかけた手を、奴のそれが絡め捕った。
「なぁんて、嘘でさァ。」
「んだよいちいち・・・。つか暑苦しいから手ェ離せ。」
「いやでィ。」
 楽しげに光る眼を細めて、指同士をからめ合わせたまま俺の手の甲に口づけ。
早朝の部屋に満ちた柔らかな光のように、どこか穏やかな総悟の表情や仕草にどきりとしてしまう。
 うまく抵抗する言葉がつむげずに唇をかんでいる俺を見て、笑い声がこぼれた。
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