ベルマモ

□好みのタイプ≒好きな奴
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好みのタイプなんて人それぞれ

でも、それは好みというだけで

好み=恋愛とは限らない。




「マーモンって、どんなタイプがすきなの?

「・・・は?」

いつものように突然部屋に上がりこんだベル。でも今は読書がしたいと伝えるとじゃあ、待ってると後ろから抱きしめられた。
これが彼なりの譲歩なのだろうとそのまま大人しく彼の腕の中で読書に没頭して残り数ページになったところで急に持ち出された話題。しかも話題がアレな話題だから思わず聞き返してしまった。

「やっぱ金がある奴?」

と、僕の言葉はスルーされ、ベルはまた新しい問いを投げかける。

「・・・まぁ、そうだね」

少し間を空けて答えるとマーモンらしいとしししと笑う。

「じゃあ、性格は?」

「さぁね」

嫌いなタイプはたくさんいるけれど、好きときかれれば浮かぶのは難しい僕は曖昧に言葉を濁す。第一それをきいてこの我侭王子はどうしたいのだろうか?

「クールで強引なスゴウスナイパー?」

クール?凄腕?では分からないけれどスナイパーで浮かぶのは何かを企んでいるような嫌な笑みを浮かべる黄色いおしゃぶりのアイツ。

「熱血で元気系の人情豊かな金髪?」

「・・・どちらも違うね」

「じゃあ、ジャポーネ系の爽やか八方美人の優男?」

「ベル?」

不審に思い上を見上げればいつものように口角を上げ笑顔を見せるベル。

なのに、なぜだろう・・・何処となく冷たい視線。

そして先ほどあげられたタイプは恐らくいや、確実に黄、青、赤の僕と同じ呪いを持っていたあいつら。
だれだい、それ?と尋ねるなんて野暮な話。

「・・・そういう君はどんな子がタイプなのさ?」

「俺?」

ししし、と笑いどことなく抱きしめる力が強く感じる腕。なのにちっとも温かく感じない

「強欲で生意気でちっこくて年上の貧乳非処女」

ああ、全ての回路が繋がった。

上を見上げるとベルは笑っているのにどこか哀愁を漂わせていて。

喧嘩売っているのかい?とは言えない。

十年以上の付き合いでこういう静かに笑うベルは情緒不安定なのだ。

だから、言葉を選ばなきゃいけない。


「・・・ねぇ、ベル?」

「・・・んー?」



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