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□前世でも来世でも君を愛してる
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抱きしめられて、口付けられて、身体を重ねて、お前は何度俺に愛を囁いただろう。
前世でも来世でも君を愛してる1
「隼人大好きだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「愛してる」
「・・・・・・・・・・・・・・、」
「このまま僕の中に閉じ込めてしまいたい」
「・・・・・・・・・・っ〜〜〜!!」
「隼人・・・「あーっるせぇ!てめぇは!!」
雲雀の甘い台詞に獄寺は身震いし、鳥肌が立つ。後ろから抱きしめる雲雀の腕から獄寺は抜けて喚く。
「てか、きめぇ!!てっめぇ柄にも無い事言ってんじゃねぇよ!見ろっ!鳥肌立ったじゃねぇか!!!」
「じゃ、なんていえば獄寺はときめいてくれんの?」
キスもセックスもした仲なのにと呟く雲雀に獄寺は拳を振るったが、その拳は雲雀の手の中へすっぽりと包まれてしまった。獄寺は顔を首まで真っ赤にして怒っていた。裏腹に、雲雀は余裕そうな笑み。
「っそれは・・・テメェが無理やり俺にした行為だろうが!!この変た・・・んっ!」
獄寺は雲雀の掌から逃れようと抵抗している。が、雲雀はその腕を引き獄寺の唇を奪い取った。獄寺が力を緩めた隙に体を抑え込んで、首の後ろに腕を回し徐々に口付けを深くする。
「っふ、ん、・・・はっぁ、」
舌を絡ませるとくちゅ、くちゅ、厭らしい水音と獄寺の息遣いが応接室に響く。
「っ!んー!んー」
息が苦しくなったのか獄寺は雲雀の胸を叩いて訴える。二人の唇が離れると二人の交わった唾液が銀色の糸を引く。
「はぁ・・・はぁ、はぁ・・・」
(息が途切れてしゃべれねぇ・・・)
酸素が欲しくて呼吸しか出来ない獄寺は何すんだよという目でただ雲雀を睨むしかなかった。顔は真っ赤で目には涙が溜まっている。雲雀にとってそれは性欲を煽るものでしかなかった。
「無理やりとは人聞きの悪い・・・君だって気持ち良さそうだったじゃない」
「はぁ、・・・っせぇ、あんなの強姦のなにものでもねぇ・・・」
「強姦?僕は愛のあるセックスをしたと思ってるよ」
だって、と紡ぎ、雲雀は獄寺の顎をくいっと持ち上げ言った。
「君は僕に惚れてるからね」
獄寺は一瞬雲雀の言葉が理解できなかった。自分がこの変態を好きだと?ありえない・・・そんなの天と地がひっくり返るくらいありえないことだ。雲雀のあまりに自信満々な発言に苛立ちが募り怒りが込み上げる。そんな獄寺の口を人差し指で制し、雲雀は笑う。
「だからもっと好きにさせてあげる」
覚悟してね、最後の一言で獄寺の怒りが頂点に達し、何かがぶちっときれた音がした。
「・・・っふっざけんなああああ!!誰がテメェに惚れるかぁあ!自己中で、俺様で、おまけに鬼畜ドSの強姦変態野郎がァ!!」
と、叫び獄寺は雲雀を突き飛ばし応接室を飛び出していった。一方、突き飛ばされた雲雀はちょうど後ろにあった長いすにうまく腰を下ろし獄寺が出て行った開きっぱなしの扉を見て息を吐く。
「・・・ほんと、素直じゃない」
そういって獄寺が落としていった銀色のネックレスを拾い上げキスをする。
(・・・そういうところに惚れてるんだけどね)
そんな様子を外から覗いているものがいたことは誰も知らない。