一万HIT小説

□恋愛論理
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おかしい。
いつもの不動なら慣らすのも程々にいれて来るくせに今日に限っては長い間、指で俺のナカを擦るだけだ。






「んっ…不動、もう平気だ、…から」
「ん〜、もうちょい」
「っあ、あ、何でだ」







気持ち良い場所は僅かに掠めるだけで決定的な快楽にはならない。
だから不動に開発されたこの身体は少しでも強い快感を求めているのだ。
緩い刺激に頭がどうかしそうになりギュゥ、と目をきつく閉じる。
すると今まで溜めていた涙が目尻から頬を伝って落ちていった。







「…やりすぎたか?」






俺の涙に気付いたらしい不動はそう呟くと俺の中に入れていた指を抜き、俺の肩に頭を押しつける様にして抱き付いてきた。







「?ふど、」
「鬼道君がさ、いっつも挿入する時痛そうな顔するからきついのかと思って」
「だからこんなに長く慣らしてたという事か…」







確かに挿入時は痛い。
初めてヤッた時には言葉にならない位痛くて仕舞いには血が出た程だ。
でも俺はその先にある快感を知っている。
挿入する時、俺が少しでも痛みを感じない様にゆっくりし、全部入った後も暫く落ち着くまでキスしたり頭を撫でて髪を梳いてくれたり少しでも気が紛れるようにしてくれている事を。






「不動、俺は平気だ。から、早く挿れてくれ…!!」





もう随分前から俺のナカは不動のモノを欲している。

だから、早く












「はあっ!!…あっ、っぁあ!!ふど、ふどぉ…!!」
「チッ…!!煽るなよ…、」






いつも通りに挿入された不動のモノはなんとなくだがいつもより楽に入ったと思う。
それから今、腰をがっちり掴まれて良いようにナカを突かれる。
前立腺と呼ばれる場所をぐり、と強く刺激されれば先程から引っきりなしに上がっている声が更に高くなった。
こんな声が自分の口から出るだなんて考えた事が無かった。
これも全ては不動が教え込んできた。
そうしなければ知らないまま一生を終えていただろう、男同士の性行為がこんなにも……気持ちいいだなんて






「鬼どー君、何か考えてた?」
「ひぁ!!あ、なん、も」
「そう?でも一瞬違うとこに目が行ってたよ?」
「そ、れは、あぁっ!ふ、どうの事…っ!!」






好きだ、と途切れ途切れに伝えて自らも不動の律動に合わせて腰を動かせば不動のモノの質量が更に肥大した。







「いきなり好きだなんて反則だっつーの…っ!!」
「ひあぁぁ!!ふど、!!んああぁっ!?」






不動は今まで触れてなかった俺の自身を急に擦り上げ、不動自身をぐっ、とナカの最奥へと突いてきて俺は呆気なく達してしまった。
最後の刺激が強すぎてチカチカする。
しかも酷い倦怠感も襲ってきた。









「好きだ鬼道君。まじでさ……」




薄れゆく意識中でそう呟く不動の声が聞こえた。
"おれもだ"、と告げたつもりだが果たして声に出ていただろうか。



確認する術もないまま俺は意識を完全に落とした。






END
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