イナズマイレブン

□A Weak Person
1ページ/3ページ

晴矢とヒロトは付き合っていた設定

今日もイナズマジャパンは大会に向けて激しい特訓をしている。世界の凄さを目の当たりにしても、日々の練習で、各々は着実に強くなっていた。

「今日の練習はここまで!」

久遠監督がそういうと、以前なら動けないほど疲れていたが、今は疲れたけど動けない、というほどでもない。

「ヒロト、宿に戻ろう」

僕のチームメイトであり、恋人の風丸君は僕にタオルを渡して、僕が出した手を取って引き起こしてくれた。今日1日練習に付き合ってくれた吹雪君にお礼の言葉を言って、風丸君のあとを追いかけた。僕が風丸君の手を握ると握り返してくれる。少し温かい手にとても安心する。

「吹雪との必殺技の練習はどうだ?」

「うん順調だよ、あともう少しで完成すると思う」

「そうか…」

風丸君は立ち止まると、僕の顎をもち、顔を近付けた。僕は少し緊張しながら、目を閉じた。だんだん速くなる心臓の音と近づいてくる風丸君の気配に顔が真っ赤になる。


僕の唇に当たったのは、フニッという、風丸君の唇の柔らかい感触ではなくもう少しかたいいうなれば手……というか顔の下半分をふさがれて、上手く呼吸ができない。

「っ!?お前は…ヒロトを離せ!!」
焦った声音で、半ば強引に僕をその手から引き離した。呼吸を整えながら、手の持ち主を見ると

よく知っている顔だった。

「…よう、久しぶりだな…ヒロト……」

「…晴矢……」

お日さま園でずっと一緒にいて、結婚の約束までして僕が……裏切った、南雲晴矢だった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ