戯言

□グッドラック・ディアフレンド
1ページ/4ページ




さよなら、さようなら。
笑顔の素敵なひとごろし。



どんどんどんどん、とけたたましい、ノックと呼ぶのもおこがましい騒音レベルのノックで目が覚めた。
暑い。畜生誰だよ喰ってやろうか。
とりあえず放り出していたジーンズは身につけて、漸く状況を認識し始めた頭で僕の思考に突っ込んでおく。
落ち着け僕。僕は引退してんだし、力で解決しない揉め事は苦手っつーか専門外だし、大体此処を知ってる奴なんて数える程もいねーじゃねーか!

…まぁいいか。面倒だったら殺しちまえ。殺気立ったカンジじゃねーし。
判断材料にはあんま役に立つとは思えないけど。
決断…する程悩んじゃいねーが、そう結論づけておく。



扉を開けると、あるはずのない顔があった。
「よぉ」
ぬけぬけ片手を挙げて挨拶してみせる刺青を、ドアを閉めることで視界から追い出す。ついでに錠を落とした。
「おいおいおい出夢、なんで閉めるんだよー」
「なんでテメーが此処にいんだよ!」
動じない声に力一杯怒鳴り返す。
握り締めたままのドアノブが独りでに回った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ