戯言

□グッドラック・ディアフレンド
2ページ/4ページ


「わざわざ九州くんだりまでこの人識サマが来てやったのにその反応か。何処から来たと思ってんだ?州は州でもテキサスだぞ。アメリカだぞアメリカ」
「呼んでねーし大体なんで開くんだ!」
「カシャカシャピン」
判りやすい擬音と共に、珍客である零崎が掲げて見せるのはヘアピン。
「嫌な技術だなアンタ…」
「出夢だったら壊しかねねーな」
かはは、と笑った零崎は適当に断わって室内に入っていく。追い出すのも面倒になって、僕はキッチンの方に向かった。ほっといても、アイツは勝手に寛ぐだろう。
気付けば残り少なくなっている葉を使うのは何と無く癪だけど、緑茶を湯飲みに二杯用意する。
部屋では案の定、ど真ん中を零崎が陣取っていた。
「お前相変わらず裸で寝てんのな」
「気になんのか?ヤラシーやつだなー」
「いや、胸ねーなと思ってな」
「飲んだら出てけホームレス」
緑茶を掛けるアクションをすると、零崎は座ったまま1メートルくらい後退した。胸なんざ別に欲しかないんだけどな。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ