陰陽師にお願い!

□Trick or Treat...
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失う人間もいて、捨てる人間もいるだろう。
だが、始めに持つことぐらい、させてやりたい。
これは、失った一青のエゴなのだろうか。

「で、トリック・オア・トリートで『お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ』になるわけだ」
「へえ…じゃあ一青は、お菓子が欲しかったんだ?」
「まぁ…なぁ」
至極真面目に尋ねてくる少年に苦笑する。
確かに菓子類が嫌いなわけではないが、何より玄氏と行事を楽しみたかった。
そう云えば、彼は怒るだろうか、呆れるだろうか。
「黒坊は、お菓子用意してないんだろう?」
「黒坊っていうな。…当たり前だろ、知らなかったんだから」
決まり文句となった苦情に続く言葉に、何処か口惜しそうな響きを含んでいたのは一青の願望かもしれない。
だが、そうあって欲しいと思う。
彼のようになる前に。
「ふふん。それじゃあ、悪戯で決定だな」
「は?…っ、おい、一青!」


甘い甘いお菓子をどうぞ?
それとも、甘い甘い悪戯の方がお好みですか?


Happy Halloween !!!


20061031 2334
琥珀×朱也
一青×玄氏

朱也さんは大喜び。
琥珀は胃の度胸試し。
玄氏は知らない。
一青は寂しくなる。
そんなハロウィン。

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