☆妄想部屋☆
□ある雨の日の出来事
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良い名だね。と微笑み消えて行った老人と別れて再びアパートへと足を運ぶ。
(うーん、ほんの少し背中をさすっただけなんだけどなぁ。
力になるってどこかの偉い人なのかな?高級車に乗ってたし…)
ポツ… ポツ… ポツ…
姫「えっ!?ヤダ、雨!?」
空を見上げると、さきほどまでの明るかった空が黒い雨雲におおわれていた。
姫「どうしよう。強くなって来ちゃった!」
姫は慌てて近くの店に飛び込んだ。
姫「ふぅ…天気予報大ハズレ…」
そうつぶやきながら頭やワンピースにかかった雨を拭いていると、ふわりと甘い香りが鼻をついた。
(あ、お花屋さんだったんだ)
姫「キレイ…」
赤に黄色に淡いピンクに、色とりどりの花達につい見とれていると、姫の後ろを何台もの黒塗りのリムジンが走り去って行った。
(わっ、すごい…今日はやけに高級車が多いなぁ)
次々に目の前を通り過ぎるリムジン。
その中の一台が泥水を跳ね上げ、姫のワンピースにかかった。