短編夢小説
□【リボーン】ただただ、愛して?/雲雀夢
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「きょーやっ♪遊びに来たよーww」
「また、来たの」
恭弥はソファに座る私を見て、ため息をつきながら、書類へと目を戻した。
「いいでしょ〜、邪魔してる訳ではないし。放課後だし」
「でも、煩い。群れてる」
「私と恭弥しかいないんだから、平気でしょw
それに、たまには彼氏と少しの時間を過ごしたいって思うでしょ??」
そう、私、佐野唄歌は、並盛中学風紀委員長、雲雀恭弥と恋人関係にあったりする。
まぁ、恋人って言ってもデートとかはあんまりしないけどね。
ただ、お互いに好きで、たまに会って話して一緒に帰る程度。
友達以上、恋人未満って奴かもしれない。
(一応、恋人なんだけどね)
「ねー、きょーやぁー」
「何」
恭弥は書類に目を向けたまま、そっけなく答える。
むぅ、そっけなくても、クールにカッコよく見えてしまうのが憎い……。
「何で、私と付き合おうって思ったの?」
「……はぁ」
Σあれっ!?
私なんか、呆れられてるっぽいよ!!?
恭弥は書類を机の上に置いて、私の隣に座った。
そして、私にずいっと顔を近付ける。
ちょっ、近い近い//////!!!!!
キスまで、後2cm位しかないよ!!?
「ねぇ、唄歌。僕、言ったよね?付き合おうって言った時に。
“愛してる。
君が僕の事をどう思っていても、構わない。
ただ、僕の愛を受け止めて。
君も僕を愛して。”
って」
真剣に私に語る恭弥に、私はヘラリと笑って返した。
「恭弥、最後に言った事忘れてるよ。
君に拒否権はないって、軽く脅し文句言ってたじゃんww
で、それに私がこう言ったんだよ。
“私も貴方を愛してる。
だから、貴方も私を愛して。”
って♪」
ただ、お互いがお互いを愛し合っていれば、それでいい。
とまでは言わないけど、私達はそんな感じ。
まぁ、たまに恭也が私に監視を付けたりするけど、それは彼なりの愛な訳で。
独占欲が強い所も含めて、私は彼を愛しているから。
このままでいいかな、と思っている。
「唄歌…」
恭弥が優しく、私の唇に自分の唇を重ねて。
「愛してる」
耳元で、そう囁いて。
「私もだよ。恭弥」
互いに愛を確かめ合う様に、互いを抱きしめる。
友達以上、恋人未満みたいな、私達。
でも、確かにそこには愛があって、そっけなくても愛しあってるんだから、それでいいんじゃないかな?
これからも、きっとこのまま、続いてく、ほんのり甘くて優しい幸せ。
凄い甘くなんて、贅沢は言わないから、このまま、ゆっくりずっと一緒に居る。
それだけで十分、幸せなんだから。
((ただただ、愛して?))
(私達にとって、それが唯一の繋がりの証なんだから)
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