短編夢小説
□【デュラララ!!】甘い物より/静雄夢
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そろそろ春も終わり、長袖でも少し暑くなってきた今日この頃。
アイスとかを買って、コンビニの自動ドアを出ると、聞き覚えのある声が聞こえて来た。
「いーざぁーやぁあ゛あ゛あ゛あ゛ああああああ!!!」
―――…この声は……。
声の聞こえた通りの方へと出ると、バーテン服の金髪の青年―――平和島静雄が遠くへと自販機を投げ飛ばしていた。
ここからでは見えないけど、自販機の飛んでいった方向には、彼の宿敵(?)折原臨也が居るんだろう。
―――やれやれ、困ったもんだね。
私は少しため息をついて、肩で息をする静雄へと近づいた。
「静雄、また喧嘩??」
「あ゛?…あぁ、唄歌……」
静雄は私に気付くと、いつもの名前通りの静かな表情を見せ、少し照れくさそうにはにかんだ。
「あ、あぁ……ちょっと、な」
「そっか。そう言えば、仕事は?」
「今日は、もう終わってんだ。
で、家に帰ろうかと思ったら、あのノミ蟲がここに居やがってよぉ゛……」
「全く、臨也にも困ったもんだね」
私は、また血管を浮かばせる静雄の顔を見て、少し苦笑する。
―――仲が悪いんだか、いいんだか。
私と静雄、それと話に出て来た臨也と闇医者の新羅、京平は同じ来神高校出身で、5人は腐れ縁みたいな物であったりする。
ちなみに、私と静雄は腐れ縁じゃなくて、れっきとした恋人。
「そうだ、久しぶりに私の家に来る?アイスとかあるよ?」
「お前が大丈夫なら、行く」
「じゃあ、行こっ♪」
それから、数分話しながら歩いて、私の家へと着き、上がる
「本当に久しぶりだな、唄歌の家来るの。何も変わってねぇけど」
「そりゃあ、変えるのめんどくさいし、今のこの部屋も気に入ってるからね」
「そうだよな。俺も今のままの方がお前にあってると思うし」
「だよね♪はい、アイス」
「お、サンキュ」
2人でソファに座ってアイスを食べる。
多分、人生で、私が一番幸せな時間。
「そう言えば、最近、どう?仕事の調子」
「いつもと変わらねぇな。ただ、最近よくあのノミ蟲野郎を見かけるだけで」
「そうなんだ、トムさん元気?」
「あぁ、今日は家帰ってゆっくりテレビ見るっつってた」
「へぇー。ん、この新作アイス、おいしい」
「だな、めちゃくちゃうめぇ」
黙々とアイスを食べる静雄を見て、少し顔がにやけ……もとい、ほころぶ私。
―――可愛いなぁ、もう!!///
「ん?どうした?」
静雄が、不思議そうに私の顔を覗き込む。
「うっ、ううん!!
いやー、彼氏と一緒に甘い物食べられるなんて幸せだなー、なんて////」
「男が甘い物食べるなんて、少し変だけどな」
「変じゃないよ!好きな物を食べちゃいけないなんて、ルールはないんだし!
それに、私は静雄と大好きな甘い物食べられて幸せだよ?多分、人生で一番!!」
私の言葉を聞くと、照れくさそうにはにかんで、頬を赤らめた。
「そうか、ありがとな。俺も、唄歌と一緒に甘い物食べられて幸せだ」
優しく微笑んで私の頭をポンポンと撫でる静雄。
―――あぁ、やっぱり甘い物もすっごく大好きだけど、一番じゃないや。
―――だって、私の一番は、静雄だもん。
俺が、頭を撫でると、柔らかく笑う唄歌。
―――あぁ、やっぱり、俺はお前が好きで、お前に溺れてるんだろうな……。
((甘い物より、君が好き))
(きっと、何よりも、誰よりも、私は君の事を愛してる)
(きっと、俺の中の一番は、お前だけの物だろうな)
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