短編集

□いい加減気づけよ
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最近星がやたらと俺に絡んでくる。
しかもネチっこく。

そう思い始めてきたのはリクがいつものように授業を始めようとする時の事だ。


「今日は社会の勉強をします。とりあえず前回の授業内容を…」


「センセー」


珍しく星が俺を「先生」と呼んだかと思えば、突然「生徒と先生ってシチュエーション、どう思うよ?」なんて聞いてきやがったからとりあえずチョークを2、3本投げつけてやった。


なんなんだよアイツ。前は俺がニノさんと一緒に歩いているのを見つけると必ず邪魔しにきたし、何かと嫌みばかり言ってきたのに最近それがめっきり減ったのだ。
俺としては邪魔もされずニノさんと2人きりで入れる時間が増えて万々歳なのだが…あの星がニノさんを簡単に諦める様な奴とは思えなかったし、何か企んでいるんじゃないかと思っていた。


案の定、俺が寝る時間に決まって星の良く分からん歌が聞こえてきたり、やたらと星からガンつけられたり、突然話しかけてきたかと思えばどこかにすぐ居なくなる。お前はピンポンダッシュの達人か?よそでやれ。

とりあえず今の現状をシスターに相談してみた訳だが…。


「成る程。確かに最近の星は様子が変だったな」

「シスターもそう思いますよね!!後、コレは星と関係無いんですけど…」

「なんだ?言って見ろ。」

「じ、実は、最近誰かにずっと見られているような気がして…」


「!!」

そう。
星のネチっこい絡みもあったが、最近になってストーカーまがいな事をされているのだ。昔何度かされた経験があったせいかすぐ気付いた。
自分が魅力的なのは従順承知だが、ストーカーとなると話は別だ。男だろうが怖いものは怖い。以前1人でなんとかしようとしたが酷い目にあい、高井達が居なかったらどうなっていたか分からない。
だから今日は相談もかねて前の様にシスターにどうにかして貰えないか頼みにきたのだ。
ここで借りを作ってしまうのも癪だが頼れる高井は出張で帰ってこれない為今はシスターに頼るしかない。


「なので、すみませんがシスターに……シスター?」

気がつけばシスターは玄関の方へ歩いていた。
なぜ。


「待って下さいシスター!!話はまだ終わって…」


「すまんなリク。少し用が出来てしまった。私が戻ってくるまで留守番を頼まれてくれないか?」

「別に構いませんけど…」
そう俺が言うと、
頼んだぞ。とだけ言い残しシスターは出て行ってしまった。



帰ってきた時にでも話せばいいか。
そんな事を考えながらシスターが用意した紅茶を飲みながらシスターの帰りを待つリクであった。



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