神夜姫組曲
□12 対ヒソカ!
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「そいつが目覚めたら、きっと合格は辞退するぜ」
気絶してしまったゴンを黒服の男の一人が運んで、部屋を出ていった
別室で手当てをするのだそうだ
「不合格者はたった一人なんだろ?ゴンが不合格なら、オレ達のこの後の戦いは全て無意味になるんじゃないか?」
ハンゾーの問いに、ネテロ会長は心配御無用と返す
不合格者が何を言っても合格にならないように、合格者が何をしようとも不合格になることはないのだそうだ
「なるほどな」
「……。なんで、わざと負けたの?」
横を通りすぎたハンゾーにキルアが投げ掛けると、ハンゾーは止まり、振り返って不思議そうな顔をした
「殺さずまいったと言わせる方法くらい、心得ているはずだろ。あんたならさ」
「…オレは、誰かを拷問する時は一生恨まれる事を覚悟してやる。その方が確実だし、気も楽だ」
「?」
「どんな奴でも痛め付けられた相手を見る目には、負の光が宿るもんだ」
それは、訓練したって隠せるようなものじゃない
でもゴンは違った
腕を折られた直後にも関わらず、それを忘れてしまったかのような真っ直ぐな目をしていた
「気に入っちまったんだ、あいつが。あえて敗因を挙げるならそんなとこだ」
ちょっと恥ずかしそうに、そう口にしてハンゾーは隅の方へと行ってしまった
『キルア?どうしたの?』
「わかんねェな、と思って。それよりお前次だろ?しかもヒソカと。無茶すんなよ」
『善処するよ』
「第2試合。祈李VSヒソカ!前へ」
「祈李ー!無茶すんじゃねェぞー!!」
心配してくれているらしいレオリオとクラピカに大丈夫だよ、と手を振り、白兎と熊さん(リュック)をキルアに預けてから祈李は前へ出た
「始め!!」
審判の合図で試合は始まった
『ヒソカとなんて、最悪』
「そうかい?ボクは嬉しいよ」
『そんなのヒソカだけだから』
ぶっちゃけ降参したい
でもそうすると次はクラピカだし…と思うと此処で勝っておきたい
「さあ、お喋りはここまでだよ」
『やりたくなぁい…』
「ダメ」
そして二人は、ほぼ同時に床を蹴った
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