神夜姫組曲

□15 ゾルディック家@
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試験が終了したその日のうちにパドキア共和国行きの飛行船に乗り込んだ

飛行船では久しぶりにゆっくりとした時間も過ごせたし満足である

服も何時ものセーラー服に着替えたし、ゾルディック家に行く準備は万端だ

合格したよメールも皆に送ったしぬ!

予定通り3日かけて飛行船で移動して電車とかを乗り継いでパドキア共和国デントラ地区へ到着―…









したところまではよかったのだが、









今祈李は森の中を可愛らしい和服の少年に姫抱きされて疾走中

一見すると少女のような少年はゾルディック家の末っ子カルトだ

何でこうなったかと言うと、観光バスで試しの門前まで行ったのは普通だったのだが、バスが居なくなってすぐに内側から門が勢いよく開いて(おかしいな…カルトにそんな力ないはずなのに…)手を掴まれ、滑り込むように門の内側へと入り、今に至る

因みに白兎は門の外側だったりする


『カルト、私自分で走るよ。重いでしょ?』

「そんなことないよ。それに、ボクがこうしたいからいいの」


年相応の笑みを浮かべるカルトはとっても可愛いし、祈李も楽なので好きにさせておく

いきなり引っ張り込んだ事も最初に謝ってくれたから、気にしていないし

ゴン達ならその内来るだろうと信じているから問題無い

私の事もゼブロさんが説明してくれるだろうしね


『そうだ!カルト、キルアはどうしてる?』

「キルア兄様?独房に入ってるよ」

『そっか。そうだよね』


キキョウさんとミルキを刺して家出したのだから、当たり前と言えば当たり前か


「祈李は…あの人達とキルア兄様を連れ出しに来たの?」

『ん〜当たらずしも遠からず、かな』

「?」

『私はキルアの意志を尊重する。だから、キルア次第だよ』

「それじゃあ、兄様は出ていくんだね」


祈李の言葉に表情を暗くするカルトの頭を宥めるように優しく撫でる

カルトからしてみれば、大好きな兄様を連れていってしまう人たち、という認識になるのだろう


『寂しい?』

「…うん。でも兄様が決めたなら、我慢する」

『ありがとうカルト』



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