神夜姫組曲
□05 二次試験A
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「とにかく、あたしの結論は変わらないわ!二次試験後半の料理審査、合格者は0!よ」
苛立ちを含んだ声で、メンチはそう電話ごしに相手に告げる
二次試験、メンチの課題であるスシは294番が作り方をバラした事により、味で審査になり、美食ハンターを唸らせるほどの料理が作れるはずもなく終了した
「」
「…」
隣にいるヒソカとギタラクルが無言で殺気を放っている
私に向けられているわけではないが、何ともいえない威圧感があるのだ
『二人とも、落ち着こうよ…』
そんな呟きが彼らの耳に入る事など無く、祈李は大きなため息を吐いた
このメンチの判断をよく思っていないのは、ほぼ全員でその中の一人が怒りを爆発させ会場に備え付けてあったキッチンの一つを破壊した
「納得いかねェな。とてもハイそうですかと帰る気にはならねェな。オレが目指しているのはコックでもグルメでもねェ!!ハンターだ!!」
255番の男は「しかも賞金首ハンター志望だぜ!!」と息まく
「美食ハンターごときに合否を決められたくねーな!!」
「それは残念だったわね」
「何ィ!?」
「今回のテストでは、試験官運がなかったって事よ。また来年がんばればー?」
メンチの物凄く他人事な発言に255番の怒りはピークに達したらしく、あろうことか「ふざけんじゃねェー!!」と怒声を上げながらメンチに殴りかかった
『ばかみたい』
試験官に適うはずがないのに
案の定255番はブハラに吹き飛ばされ、ガラスを突き破って外へと出た
ダメージはかなりのものだろうが、ブハラは手加減したらしく息はまだあるようだった
「ブハラ、よけいなマネしないでよ」
「だってさ―オレが手ェ出さなきゃメンチ、あいつを殺ってたろ?」
後ろ手に刃物を持ったメンチが、「まーね」と刃物をくるくる回しながら立ち上がる
「賞金首ハンター?笑わせるわ!!たかが美食ハンターごときに一撃でのされちゃって」
メンチはホイホイと器用に四本の刃物をジャグリングをするかのような投げる
「どのハンターを目指すとか、関係ないのよ。ハンターたる者、誰だって武術の心得があって当然!!」
美食ハンターは食材探しに猛獣の巣に入る事はよくあるし、密猟者は戦って捕らえる
「武芸なんて、ハンターやってたら嫌でも身につくのよ。あたしが知りたいのは、未知のものに挑戦する気概なのよ!!」
【それにしても、合格者0はちとキビシすぎやせんか?】
上空から声が聞こえ、見上げるとハンター協会のマークのついた飛行船が飛んでいた
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