神夜姫組曲
□06 真夜中のゲーム@
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日も暮れ、満天の星空の中を飛行船は進んで行く
「残った42名の諸君にあらためて挨拶しとこうかの。わしが今回のハンター試験審査委員会代表責任者のネテロである」
本来ならば、最終試験で登場する予定だったそうだが、なんともいえない緊張感が良いらしく、このまま同行するそうだ
「次の目的地へは、明日の朝8時到着予定です。こちらから連絡するまで、各自自由に時間をお使い下さい」
「ゴン!祈李!飛行船の中、探検しようぜ」
「うん」
『いいよ。レオリオとクラピカは?』
一通りの話が終わったあと、キルアに誘われた祈李はゴンとともに了承して飛行船を探検する事になった
レオリオとクラピカは疲れたから休みたいと言って、そこで一旦別れ、祈李は先に行ってしまったキルアとゴンを急いで追いかけた
しかし飛行船内の探検といっても、面白そうな場所―例えば操舵室などは関係者以外立ち入り禁止になっていて、見る所などそうは無く歩き回った後は通路にあるベンチに座って大きな窓から街を見下ろしていた
「宝石みたいだねー」
『キラキラしてて綺麗だね』
綺麗な街の灯りにゴンと感嘆の声を洩らした
「…。二人のさァ…」
「んー?」
『?』
「二人の父さんと母さんは?」
『死んだよ。だからいないんだ』
「あ…ごめん…」
謝るゴンに、謝らないでよ、と笑う
『もう吹っ切れてるから、大丈夫。それに、師匠達が居てくれたしね』
「じゃあさ、師匠ってどんな人?」
「そーいや見たことないな」
確かにキルアに師匠の話はするけれど、師匠に会ったことはない
師匠はあんまり人前に出ないっていうのもある
『師匠は私達の命の恩人で、ハンターとしても凄い人。とっても自由な人だよ』
自由すぎて困る事もあるけど、いい人だ
やはり親子だからか、なんだかゴンとは似ていると思う
だから、ゴンの傍は安心する
「そっか。キルアは?」
「んー?生きてるよー。多分」
「何してる人なの?」
「殺人鬼」
…せめて暗殺者って言おうよ、と思ったがあながち間違いでもないので口は挟まない
ゴンが普通に両方とも?と訊ねたのには少し驚いたが
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