神夜姫組曲
□08 三次試験だよ
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『ぅぅん…』
鳥の煩い羽音と鳴き声、それに誰かの悲鳴が重なって、祈李はまだ眠たいという欲求を何とかねじ伏せ目を覚ました
『煩い…何?』
「起きんのおせェ」
「おはよ、祈李」
『はれ?キルア?』
祈李は自分がキルアにおんぶされているというこの状況に、頭に?を浮かべる
「お前どんだけ起こしても起きなかったんだよ」
『ごめーん…ありがとねキルア』
「おう」
キルアの背から降りて、キョロキョロと辺りを見る
どうやら高い塔の上らしい
ゴンによると、ここはトリックタワーで三次試験のスタート地点
試験内容は生きて下まで降りること
制限時間は72時間、とのことだった
「どうやって下に降りるのかな?」
「隠し扉があるんだろ」
『だろうね』
見ただけでは発見できないだろうと、ゴン達について歩いていると、床の音が違う場所を見つけた
多分ここなんだろうな…と思っていると、ゴンとキルアがいつの間にか傍に居なくて、少し離れた場所にしゃがみ込んでいた
『どうしたの?』
「さっき此処を降りていった人がいたんだ」
「誰か降りるとロックされるみたいだな」
『ふーん。あそこに一つあったよ』
「少し探してみっか」
「うん!」
そういや白兎いないな〜なんて今更ながらに思う
探すのは簡単だから放置の方向で行くとして、祈李はゴンとキルアと隠し扉を探して歩きだした
いくつか見つけた所でレオリオとクラピカの所に行くことになった
「レオリオ、クラピカ」
「ゴン」
「お、祈李起きたのか」
『おはよ。あ、クラピカありがと。白兎』
クラピカが白兎を抱っこしていてくれたようでお礼を言い、白兎を呼ぶ
物凄いめんどくさそうだと言いたげだったが、白兎はピョンッと飛んで祈李の腕の中に来て、肩によじ登っていた
「そこで隠し扉を見つけたよ」
「「!」」
「でも今迷ってるんだ」
「は?」
「何を迷うことなんかあるってんだ?」
『どれにしよっかなって』
扉は全部で6つ見つけて、その内5つは密集している
扉は一人一つ
一回使った扉は使えない
つまり、必然的にバラバラになってしまうわけだ
下がどうなっているかは知らないが、ルール上人数が必要なルート以外は一人になるだろう
みんなが密集した場所を選んだ後、祈李は最初に見つけた離れた場所を選んだ
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