不協和音

□04.二人の決意
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先生の葬儀は雨の中行われた
降り続ける雨は私達の心境を語るように重く悲しく落ちてくる

「聖、身体は大丈夫?」

傘をささず立ち尽くしていた聖に雪男は傘を差し出す

『大丈夫。ごめんね、折角手当てしてくれたのに濡れちゃって』

差し出された傘を首を横に振って断り空を見上げた

『雪、先帰ってて
私は燐のところに行くから』

またね、と言い聖は燐の隣に立った

『電話、かけるの?』
「ああ。…聖、ごめん…」

きっと、このケガに対しての謝罪だろうと重い気にしないで、と声をかけた

燐が電話をかけると呼び出し音はごく近くで聞こえてきた

周りを見ると、いつの間にか二人は囲まれていた

「な…」
「はじめまして。奥村燐くん」

黒い服を着た人達のなかに一人白いタキシードのような服を着た男性が携帯を切りながら出てきた

『やっぱり、貴方だったんだ。メフィスト』
「おや、久しぶりですね聖さん

私は藤本神父の友人でメフィスト・フェレスです

この度はお悔やみ申し上げる」

メフィストがいる、ということはやはり囲んでいるコイツらは祓魔師か…

「お、お前ら…祓魔師か…?」

「゛正十字騎士團゛と申します」

燐とメフィストが話しているなか、こいつらに燐を保護する気はないと聖は感じていた

思った通りらしく、メフィストは二つの選択肢を出してきた

゛大人しく我々に殺される゛か
゛我々を殺して逃げる゛か
「おっと゛自殺゛という選択もありますな?」
「…」

『ふざけないで!燐は殺させない!
燐に手を出すなら、いくら貴方でも容赦しない!!』

言いながら放った重苦し殺気に囲んでいた祓魔師達は一歩後ろにさがった

「聖、いい」
『だって燐!』

「仲間にしろ!」

迷いなく燐ははっきりとそう口にした

「お前らがどう言おうが…俺はサタンとか…あんな奴の息子じゃねぇ!!

俺の親父は…ジジィだけだ…!」

「祓魔師になって…どうするんです?」
「サタンをぶん殴る!!!」

その言葉にメフィストは爆笑し出した

「ハハハ、正気とは思えん!」

「正気だ!!」
「ククク…サタンの息子が祓魔師…!!」

パチンとメフィストは指を鳴らし、面白い!いいでしょうと言う

『本当、あんたってテキトーだよね』
「いいじゃないですか
面白いんですから

但し貴方が選んだ道は茨の道

それでも進むとおっしゃるのならば」

「…俺はもう人間でも悪魔でもない

…だったら
祓魔師になってやる!!」
『燐がいくなら私も』

いいでしょう?メフィスト、と聞けばもちろんと返してきた

燐の隣で燐を守るの
そのためならば何処へだって行くわ

それが例え、人の道でなかったとしても


(降りしきる雨のなか)
(少年と少女の)
(固い決意)



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