ダウト
□1.[はじまりの足音]
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空は青く晴れ渡り、鳥達は愛らしく囀り飛びかっている
そんな気持ちのいい日にファウマは仕事に忙殺されていた
現実逃避したい
物凄くしたいがそんなことしても山積みの書類がなくなるわけではない
『なんでこんなにあるの…』
休みも殆ど取らず一心不乱にやっていたが一向に終わる気配はしない
『…ユーリもいるなら手伝ってよ』
執務室のソファでくつろぐ青年、ユーリに声をかける
「お前の仕事だろ?お前じゃないとできないからそこにあるんだよ」
全くもって正論である
それに此処にあるのはほとんどがギルドと関係の無いものばかりだ
『言ってみただけだよ…わかってるし、そんな事』
休むことなく手を動かし書類を片付ける
「ま、がんばれ」
人が頑張ってる時に…この野郎
文句の一つでも言ってやろうとしたその時、執務室の扉が勢いよく開いた
それはもう壊れるんじゃないかと思うくらいの凄まじい音がしたとも
「ファウマ!」
入ってきたのは頭に花飾りをつけた少女
『どしたの?マルタ』
「今ボンゴレから連絡が入って…蘭士が意識不明の重体だって…」
『は!?』
「どーいうことだ?」
「とにかく一緒に来て!」
マルタに先導される形でファウマとユーリは執務室を後にした
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