ダウト

□7.[敵と味方]
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ファウマはご機嫌だった
理由は簡単、三日島妃達がどんないじめをしてくるのか楽しみでしかたがない

「ファウマちゃん楽しそう…」

京子とかはちょっぴり呆れ顔だったりするけど関係ない

なんたって人生初のいじめなのだ

『どんなことしてくるのかな?楽しみ〜』

一人ウキウキなファウマに三人は呆れはてていた


▲▽▲


下駄箱
異臭がするそこには生ゴミなどが詰めこまれていた

ファウマと京子だけ

『臭い』

これじゃ上靴は履けない
予備持ってるからいいけど

『京子、大丈夫?』

「大丈夫だよ、このくらい。靴は持ち帰ってるから」

「これどうするの?」

靴は大丈夫だが下駄箱はこのままにしておくのは不味い…かな?

「あそこの女子がやったんだから、片付けさせれば」

遠巻きにくすくす笑っていた女子達はシンクの一言に舌打ちをし、去っていった

「片付けてもすぐにこうなるから放置でいいと思うよ」

京子の提案により下駄箱はそのまま放置に決定した

教室に行くと扉の間に黒板消し

「ここって高校だよね?」

カノンノの疑問はもっともだ
高校生にもなって黒板消しとかやるかフツー

どこの小学生だよ

「で?どうすんの」

『開けてから蹴り飛ばしちゃえ』

開けると落ちてくる黒板消しのタイミングを図ってシンクが蹴った

地面に落ちることなく飛ばされた黒板消しはボフンという音を立てて止まった

正面の席に座っていた生徒にぶつかったのだ

当たって粉まみれになったのは三日島妃

「何すんだよお前ら」

「妃ちゃん大丈夫!?」

「何って落ちてきたから蹴っただけだけど?」

だいたい非難する相手が間違っている

仕掛けたやつが一番悪いに決まってるだろう

「ひ…ひどいよぉ、シンクくん」

「は?ボクじゃなくて仕掛けた奴に言いなよ」

三日島妃が涙目で訴えるが効果なし

「笹川とファウマは妃ちゃんをいじめてるのに何でお前らはそいつらと居るんだよ!」

クラスメイトの誰かが言う

何も知らないおバカさん
三日島妃が嘘をついているなんて欠片も思っていないのだろう

「どっちにつこうが勝手でしょ?ボクはファウマを信じてるしね」

「私も。ファウマと京子が実際に三日島さんをいじめてるの見たことないもん」

「ファウマは昨日妃ちゃんを傷つけただろ!?」

まさか自分で自分の腕を切るはずがない、という心理がそう答えを出す

実際は大ハズレ
真実を知ったらどうすんのかな

「妃のことぉ…信じてくれないのぉ?」

「ファウマを信じるって言ったのにさ、バカ?」

シンクの言葉にひどいよぉとまた泣く三日島妃
泣けば何とかなるとでも思っているのだろうか

「お前ら最低だな」

『そう?貴方達の最低って大したことないのね』

「なっ!」

挑発すればすぐにのってくる。扱いやすい人達だ

獄寺隼人たちは手は出さず三日島妃の近くにいてこちらを睨んでいる

此処に居ても楽しくない
そう感じたファウマは踵を返して扉に向かう

シンク、カノンノ、京子もそれに続き教室を出た



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