ダウト

□9.[修業]
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「うわ〜すごーい」


京子がバンエルティア号を見てそんな声をこぼした

今日は土曜で学校は休み
昨日はまた三日島に唆された沢田達がいろいろしてきたけど軽く撃退した

カノンノが

いつも明るく可愛いカノンノが黒かったのは気のせいだと思いたい…

ジェイの報告だと近々面白い事が起きそうだけど京子の身が心配なので護身術くらい覚えさせようと休みを利用してバンエルティア号に帰ってきたのだった


『こっちだよ』


京子を連れてホールに入るとアンジュが笑顔で迎えてくれる

ちょっとしか離れてなかったのに凄く懐かしい感じがして嬉しかった


「おかえりなさい、ファウマ、シンク、カノンノ。貴女が笹川京子さんね。私はアンジュ、よろしくね」

「はい。よろしくお願いします」


シンクとジェイは部屋にカノンノはいつものとこにそれぞれ行ってホールには私と京子、アンジュが残された


『でね、護身術を京子に習わせたいの』

「そうね…笹川さんは何かやりたいものとかある?」

「私は格闘…とかしか思いつかなくて」


普通はそうなるだろう
剣とかでもいいけど閉まっとかないといけないし


「格闘ならシンクでも…」

『いやー無理だよ。シンクに教えてもらうとか…』


確実にスパルタだ
一般人だろうが問答無用でやりそうだ

その理由でシンクは却下
女同士の方がいいだろうから女子メンバーに頼む予定だ


「あれ?ファウマちゃんじゃ〜ん。おかえり〜」


考えていると後ろから抱きついてくる軽い調子の男


『ゼロス、離れなさい』

「え〜俺様とファウマちゃんの仲じゃ〜ん」

『はいはい。寝言は寝て言いなさい』

「そうだよ。ゼロス、ファウマから離れなさい」

「い、痛っ痛いから!ファラちゃん!?」


ファラが耳を引っ張って離してくれたおかげでゼロスから離れることができた

京子がそれを呆然と見ていたので二人を紹介する


『ファラとゼロスだよ。この子が笹川京子』

「私ファラ!よろしくね!」

「俺様はゼロス・ワイルダー。よろしくハニー」

『…ゼロス?』

「はい、すみません」


全く放っておくとろくなことがない、と思いながらファラに目をやる

ファラなら格闘家だし、女だしちょうどいい


『ファラ、京子に稽古つけてくれないかな』

「いいよ!任せて」

「あ、よろしくお願いします!」

「うん、よろしくね」


ファラが京子を連れて甲板に行くのを見送りアンジュに視線を戻した

ファラがいなくなってからまたゼロスが引っ付いてきたが面倒なので放置の方向で行くことにする


「蘭士はまだ目覚めないわ。今はエステルがついてるから大丈夫だけど…」

『そっか…』

「大丈夫だって、蘭士の事だしその内何事もなかったように起きるって」

『うん。ありがとゼロス』


ゼロスの言う通りだ
蘭士なら大丈夫

わかっているのに不安になるのはそれだけ蘭士が大切だから

今日はアンジュに報告もあるし、今は蘭士のことは頭のすみに置く


『近々ね三日島妃が面白そうな事しそうなんだ』


ファウマはそれはそれは楽しそうな笑みを浮かべてそう切り出した



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