ダウト
□5.[お姫さま]
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学校の帰り道
背筋がゾワッとした
何か下らないこと考えてるのかな三日島妃が
わたしの事嫌いだろうし
「どうしたの?ファウマちゃん」
『どっかの誰かさんが悪巧みしてるなーって』
「三日島さん?」
こてんと小首を傾げるカノンノ
かわいいなぁ、もう
『明日くらいには動くかな』
「狙いはファウマなわけ?」
『多分ね。わたしが一番気に食わないだろーし』
シンクとかいろんな面で
「で、最初は黙ってやられるわけ」
『その方がいいかなって思うんだけど…』
ダメな感じだ
シンクとカノンノと何故か京子まで怖い
「そんなの許すと思ってんの?」
「そうだよ!何のために私がついてきてるの」
「ファウマちゃんがケガするなんてダメだよ!」
『だって…』
だってじゃないの!と言われる
仕方ないケガしないように気をつけよう
▲▽▲
京子を連れて家に入る
今日は何もされていないようだったが、いじめで受けた傷が身体中にあるだろう
『よし、京子じっとしててね。…キュア!』
温かい光が京子を包む
どのくらいの術がいいかわからなかったから取り敢えず上級術にしてみた
『これで傷は治ったはずだよ』
「ありがとう!すごいね」
腕を確認する京子
どうやら上手くいったようだ
『そういえば京子は蘭士が男だって知ってる?』
「えっ!?」
成る程、知らないからか
男の蘭士が可愛いからって理由でいじめられるのは変だと思った
「蘭士は男の子なの。学校の皆は知らなかったの?」
「知らないわ。皆女の子だと思っていたもの」
「下らない理由でいじめられたのもそれが原因か」
蘭士は男だけど女の子に負けないくらい可愛いし、普段から女装だから気付かないのも無理はない
だからって許される事ではないが
「蘭士ちゃん、早く起きるといいな」
『大丈夫。蘭士だもん』
微笑む京子はとても可愛いボンゴレ達のプリンセスが三日島妃ならこっちのプリンセスは京子
蘭士が守ろうとしたものはわたしが守るから
だから今は安心して休んで元気になってね
(歌姫が祈るは友の帰還)
(歌姫を守るは無敵の騎士)(歌姫が守るは可憐な姫君)(歌姫を害するは虚像の姫)
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